地図・GISあれこれ2
(Quora アーカイブ 2018/03〜)


 

2018年06月30日:湖が県境のケースはありません。なぜですか?

2018年06月27日:赤道から両極に移動するにつれて、緯度の長さは?

2018年06月26日:地図上にある格子状の線はどう役立っているの?

2018年05月06日:日本列島を移動させることが出来たら、どこがいい?

2018年04月22日:磁気子午線と地理的子午線とのなす角度は?

2018年03月05日:衛星が存在する前、地図はどのように作られた?


 
 
 
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 ■2018年06月30日:

Q:川が県境のケースはたくさんありますが、湖が県境のケースはありません。なぜですか?

いいえ、少ないですがあります。

十和田湖は青森県と秋田県の県境となっています。

十和田湖

また、中海は鳥取県と島根県の県境となっています。

中湖

さらに、尾瀬沼は栃木県と群馬圏の県境となっています。

尾瀬沼

この他に、奥只見湖(福島・新潟)のように、元々は川の県境だったところが「ダム湖」となっている例も多数あります。

*地図はいずれも「地理院地図」(国土地理院)によります。


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 ■2018年06月27日:

Q:赤道から北極や南極に向かって移動するにつれて、緯度の長さは短くなりますか?

 質問の "緯度の長さ" (英語版では 'length of latitudes' )という表現が意味不明です。「緯度」は文字通り「角度」として定義されるものであって「長さ」を示す値ではないからです。何とか回答可能な形に読み替えるとすると、2つのケースが考えられます。

 その一つは同じ子午線上における「緯度差1度の地表距離」の比較です。例えば、同じ東経135度の線上で赤道附近の北緯0度の地点から北緯1度の地点の間の距離と、北緯89度の地点から90度の地点の間の距離を比較することです。この場合、詳細は(煩雑になるので)省略しますが、これまでの研究から「地理緯度差1度」の地点間の距離は、極点に近づくほど極く僅かに「延びる」ことが解っています。地球が完全な球体ではなく、赤道附近が僅かに膨らんだ回転楕円体であるためです。

 もう一つは、(緯度(latitudes)」ではなく「緯線(circles of latitude または parallels)」の長さの比較を言っている場合です。これは、極に向かって赤道(面)と平行に地球を輪切りにした場合の地表との切線なので、当然、極に向かって次第に短くなり、極点で0となります。


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 ■2018年06月26日:

Q:地図の上にある格子状の線はどのように役立っているのですか?

 地図上に描かれている格子状の線には大きく3種類の(全く違う)ものがあります。

 その一つは「緯度・経度」を示す線で経緯線とも呼ばれ、投影計算に基づいて厳密に作図されるものです。大縮尺の(狭い地域を描く)地図ではほとんど直線の格子に見えますが、小縮尺の(=描かれる地域が広い)地図では、いずれか、あるいは両方の線が曲線になる場合もあります。この線を基準に「地図上で選んだ地点の、およその緯度・経度を知る」ことができ、例えば GPS が示す位置と対比することもできます。地図専門の世界で「‘grid’ 格子」という場合はこの経緯線のことです。

 2番目は、「平面直角座標系の格子線」です。これは土木工事などで地点や線を精密に測量したり工事するための基準とするものですが、一般の人にはあまり縁がないので詳細は省略します。

 3番目は「地図上に任意に描かれる格子線」です。これは逆に「地名の索引などにその地図上のおよその位置を示す」ための便宜的なものです。縮尺と連動して現地の距離で5km、10kmといった分かりやすい間隔に設定された正方直角格子で描かれ、縦軸・横軸に番号や記号が付けられます。例えば索引で調べた地名に「7-e」と書かれていれば、その地名が地図上の格子の上から7行目、左から5列目の正方形の中にある、といった具合です。住宅地図や道路地図など、一般の人が使う地図には必ず描かれています。


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 ■2018年05月06日:

Q:もし日本列島を好きなところに移動させることが出来たとしたら、どこがいいですか?

 質問の趣旨と少しずれるかもしれませんが、参考までに。
 今ある国を潰してしまうことになるので、陸地の上に「移動」することはできませんが、移動ではなく「そっと重ねて見る」のなら良いだろうと・・・動かした図を示します。

ヨーロッパと日本

 実はこの図はある講義で学生に見せたものなのですが、狙いは日本の大きさ(長さ)を知ってもらい、考えてもらうこと。どうも、「坂の上の雲」(司馬遼太郎・NHKドラマ化)あたりの悪影響で、やたらに「極東の "小さな島国" 」と思い込まされている日本人が多いのは本当に困ったものです。図を見て貰えば解りますが、北海道の北端・稚内をドイツのハノーファーに重ねると、静岡・浜松はフランスのマルセイユ、九州はほぼスペインで、沖縄の石垣島はなんと地中海を越えてモロッコのカサブランカ附近、南北大東島はチュニジアに至るのです。(念のため、北方領土エトロフ島はポーランドです)
 日本は決して小さくはないのです。アメリカや中国、ロシアばかり見ているので「小さい気分」になるのかもしれませんが、もっとヨーロッパに注目しよう!
 もちろん、同じ縮尺、同じ投影図法(正距方位図法)で投影中心点を合わせて重ねています。


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 ■2018年04月22日:

Q:現在の磁気子午線と地理的子午線とのなす角度は何ですか?

 「子午線」と「磁気子午線」のなす角度は、一定ではなく「地点」によって異なります。
 「子午線」は球体である地球上に、北極点・南極点を結ぶように設定された円弧です。一方「磁気子午線」は磁石の針が指す方角に沿って描く円弧であって、子午線とは一致しません。
 この両者のなす角度=「偏角」は、地球が球体であるために "地点" によって異なります。現在の日本では南鳥島の「0度」以外は全ての地点で「西」に偏っていますが、磁気の北「=磁北」は時間的にも変動しているため、これが永久不変の値という訳ではありません。

参考:地磁気を知る|国土地理院


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 ■2018年03月05日:

Q:衛星が存在する前、地図はどのように作られたのですか?

 「地図」には、世界地図、国家ごとの地図、街や村の地図、さらには街道(道路)や鉄道の地図、といった様々な種類があります。それらが共通の基準に基づいて作られるようになったのは、およそ200年前以降のことで、それまではそれぞれ全く別の方法で作られていました。
 世界地図の場合、良く知られた世界地図で最も古いプトレマイオスの世界図(2世紀)もメルカトルの世界図(16世紀)も、実は旅行記や航海記の情報を集め、一部の天体観測結果などと併せて「描いた "絵" 」なのです。その後、天体観測のための器具と時計(軽度確定に必要)の精度の向上と活発な探検航海によって、海岸線に関してはより正確で情報量の多い世界地図が作られるようになりましたが、内陸も含めた「(ある程度)正確な地図」が作られたのはヨーロッパで19世紀、世界全体についてはまさに衛星以降になります、
 一方、街や村の地図は、古くから「歩測や縄による距離測定」と「見通しによる角度・方位の測定」をもとに比較的正確な図が作られていました。「太閤検地(16世紀末)」はそれを国家的に行おうとしたものです。江戸後期には、浮世絵と同じ印刷出版のシステムで「城下図」や「町絵図」と呼ばれる地図が盛んに作られましたが、現代の地図と重ねても意外に正確なものがあります。
 この時代の簡易な測量技術に、幾何学的な理論化を加えて高度化した「導線法」という平面測量の技法を使い、天体観測による緯度の確認を加えて、日本全土の海岸線を測量、日本地図を作ったのが伊能忠敬で、完成した『大日本沿海輿地全図』(1816)が最初の「測量による日本地図」となりました。
 また、フランスではカッシーニ一族による国土全体をカバーする「三角測量」のチェーン(三角網)が1793年に完成、1799年には全国の地形図が作られることで、上記の「街や村の地図」と「国家の地図」が正しく連結されました。日本でも、明治期に入ってから三角測量(平面位置)と水準測量(高度)を全国に展開し、20世紀始めには全国の地形図を完成させています。


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