自然・災害1
(blog アーカイブ 2004〜)


 

2010年03月01日:津波の予測について

2004年10月26日:中越地震について

  

  

  


 
 
 
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 ■2010年03月01日:津波の予測について

 なぜ「おわび」なのだろうか?
 産経新聞の見出しに到っては「謝罪」である。
 災害予測・予報というものの本質が大きく歪められている、その中核を担う専門機関である気象庁自体が歪めていると感じる。

 大方、「(波の高さという)結果が、予報を大きく下回ったこと」について、報道陣から "コメント" を執拗に求められたことによるのだろうが、大きな誤りである。
 1メートル足らずと予報して、2メートルの波が来たらまさしく重大問題である。しかし、少なくとも一定の科学的努力の上に立って「最大3メートル」と予報しての1.2メートルならば、まったく何の問題もない。(12センチだったのならともかく・・・)

 今回の結果的な誤差については、専門研究機関として不断に求められるレベルの「反省」は当然必要であろうが、「おわび」や「謝罪」などすべきではない。
 「人身被害ゼロ」というのは立派な結果である。もしももっと軽い、楽観的な予報を発表し、結果的に人身被害が出ていたらどうだっただろうか。
 本当に、この国は「科学的思考」や発言が簡単に否定される国になってしまったようだ。

津波注意報を解除 気象庁おわび「津波の予測過大」

 南米チリ中部沿岸の大地震で発生した津波で、気象庁は1日午前10時15分、太平洋沿岸全域に出していた津波警報や注意報をすべて解除した。同庁の関田康雄・地震津波監視課長は同日午前の記者会見で、「津波の予測が過大だった。警報が長引き迷惑をかけたことをおわびしたい」と語った。
 津波警報は2月28日午前9時33分に発表され、解除までには約25時間かかった。観測された津波の最大の高さは岩手県久慈市の久慈港と高知県須崎市の須崎港で1・2メートルで、同庁が東北の太平洋側で最大3メートルの津波が来るとした予想を大幅に下回った。
 同庁は今回、地震の規模や海外の津波の観測データをもとにコンピューターで津波の高さを予想。2月27日の地震発生時点では津波の高さを「1メートルいくかいかないか」と予想したが、翌日になって1〜3メートルの津波が来ると修正した。関田課長は「シミュレーションと実際の観測結果を精査した上で、今後シミュレーションを改善したい」と話した。
朝日新聞(Asahi.com) 2010年3月1日12時58分


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 ■2004年10月26日:中越地震について

 「地理学者の目」で見えることで、今回あまり言われてないこと。
1.これだけの山間地域に小さい集落が多数分布していること。
  過疎化と廃村が進んでいると思われがちな傾向に反して、多数の人口が山間に住んでいる。
  これは、湧水に恵まれて水田稲作や錦鯉の養殖といった生産活動が可能なためである。
  そしてなぜ湧水に恵まれるかと言えば「断層地帯」だから、つまり、山間の急傾斜地にもかかわらず
  水に恵まれていること自体、地滑り、崩落、そして地震の危険と隣り合わせということが言える。
2.なぜ、これほどの「被害」が出たか、ということ。
  「被害」は分けて考える必要がある。
  第一に、住居そのものの倒壊。
  直下型地震であったこと、老朽化などが要因と考えられる。
  第二に、地盤の崩落、崖崩れとそれによる住居等の被害。
  これについては、崩壊個所の詳細な調査が必要。
  これまでの映像等で見るかぎり、道路(工事)自体が崩壊の起点となっている個所が多いように見える。
  また森林の保全状況がどうであったかも重要である。
  第三に、道路、鉄道などの寸断による社会的ダメージ。
  これには、「寸断」への耐久力の問題という側面もある。
  かつての山間集落は自立的な「力」をもち、一定期間の孤立には耐えることができたが、今回の様子では
  そのような「力」やシステムが失われている様子が見える。
  たぶん、生活様式の変化と高齢核家族化がその原因であろう。


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