報道について3
(Quora アーカイブ 2018〜)


 

 2018年06月03日:近年の新聞やTV報道は左派寄りの偏向報道が多いか?

 2018年04月21日:NHKが印象操作をすることはあるか?

 2018年03月05日:日本は欧米と比べてジャーナリズムが遅れているか?

 

 

 


 
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■2018年06月03日:

ここ数年間の新聞やTVメディアの報道には、左派寄りの偏向報道が多いと思いますか?

 思いません。非常に奇妙な質問です。
 「左派寄り」というのは、体制批判・政権批判的な色彩が濃い、社会主義的な主張が込められている、といったことを指すのだと思います。新聞(一般紙)の場合、社によって当然その「色合い」は異なり、現在では比較的 "濃い" のが東京新聞で、最も薄いのが産経新聞でしょう。その反対、つまり「右派寄り」で見れば新聞の並びも反転します。
 テレビ(地上波・BS)については、安倍政権の恫喝政策によって政権批判的な報道はすっかり影を潜めてしまったので、言わば全てが政権の求めるままに報道する「右派寄り」の状態にあります。
 「奇妙な」と書いたのは、「左派寄りの偏向報道」という言い方です。日本は一応自由主義国家ですので、政権批判はメディアの重要な役割であり、それが無くなってしまったら極めて危険な(まさに「大政翼賛会」)状態になってしまいます。


 
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■2018年04月21日:

NHKが印象操作をすることはありますか?

 第一段階の答えは「当然している」です。そもそも、あらゆるメディアの活動<情報の取捨選択、編集、加工>において、印象操作は不可避的に発生するからです。ですが、おそらく質問の意図はそのような本質論ではなく、NHKが「 "意図的・計画的" に印象操作を行っているか」ということだと思います。
 最も意図的・計画的でかつ明示的な印象操作は「CM」ですので、「CMが無いNHK」は中立・公正であると信じている高齢者なども一部には居ます。しかし、実はNHKはCM型の明示的な印象操作を大量に行っています。それはNHK自体に関するCMで、番組の間などに頻繁に挿入される「皆様のNHK」「NHKは公共放送」というキャッチ・フレーズです。「企業活動」としては許されるという見方もあるでしょうが、自社CMを流すために「特権的に割り当てられた電波」と、事実上税金に近い形で「国民から集めた金」を使うことが妥当か、という疑問を感じます。これは、総合テレビの午後の時間帯の多くがバラエティの形を装った「番宣番組(朝ドラや大河ドラマの宣伝)」で占められていることも含めてです。
 また、もっと批判的な意味で、明示的ではない印象操作を意図的・計画的に行っているか、という疑問もあると思います。私は「それも行っている」と考えています。具体的には、他の方も挙げている岩田明子という解説委員の発言が代表的なもので、政権の言い分を無批判に伝えさらには積極的に擁護するような報道が、第二次安倍政権以降急激に増え、一方で政府の政策に批判的な報道が激減していると感じます。
 さらに、特定の事実・情報だけを選択的に "伝えない" という形の、見え難い(故に悪質な)印象操作も強く疑われます。具体的には、国会での議論を伝える際に、重要な指摘を含む野党の質問をカットして政権側の答弁だけを流す、あるいは首相官邸や国会議事堂附近での市民デモについて一切伝えない、などといったことが挙げられます。


 
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■2018年03月05日:

日本は欧米の先進国と比べてジャーナリズムが遅れていると思いますか?それはなぜですか?

 「遅れている」というより「健全に発達・機能していない」と思います。
 その原因は、
 第1に、日本人の多くが「国家社会が "民主的に" 生き続けるためには健全なジャーナリズムが必要」ということを認識していないこと。未だに「政府の悪口ばかり言ってけしからん」などと普通に口にする人々、スクープによって大統領を失脚させたワシントン・ポストが、だからこそ今でもアメリカで信頼されていることを理解できない人々が少なくないのです。
 第2には、ジャーナリズムの中で働く人々でも、権力に負けない個人、言論・報道の責任、ということに関して、本当の意味で "覚悟" を決めている人が少ないこと。これは、ジャーナリズムの中心に企業化した大きな組織が増え、そこで働く人々が単なる会社員・企業経営者ばかりになって、権力に擦り寄ることで会社や自分の地位を守ろうとする傾向が強くなったしまったことによります。
 第3に、政治権力の中枢に居る保守系の政治家の多くが、本音では「真の民主国家」など望んでいないこと(自民党の改憲案を見れば明確です)。その結果、様々な形でジャーナリズムに圧力をかけ、それが効果を発揮していること。国会議員の集会で、特定の新聞を「潰さなければいけない」などという発言が公然となされるのが現状です。
 日本の報道の自由度ランキングが、かつての上位から世界の72位まで転落したのは、特定の "悪者" のためではなく、上記の1〜3が相互に影響しあい自己増殖してきた結果です。今なんとかしなければ、NHKが、モデルとしてきたBBCではなく、朝鮮中央テレビと “そっくり同じ” になるのもそう遠くないと思います。


 
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