現代社会を考える1 (blog アーカイブ 2004〜2006)


 

2006年08月28日:マンションへの政党ビラまき事件

2006年08月03日:プール<吸い込まれ>事故

2005年11月29日:無免許で助産行為

2005年06月03日:街頭募金について

2005年03月16日:「振り込め詐欺」の病理

2005年02月19日:報道されないこと

2004年08月24日:沖縄米軍へり墜落事故について


 
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 ■2006年8月28日:マンションへの政党ビラまき事件

 葛飾区の「マンションへの政党ビラまき」事件についての東京地裁の判決が出た。
 公判開始の時にブログ(旧)でとりあげて以来注目していたが、とりあえず妥当な判決が出て良かった。
 この事件については、もちろん言論の自由やマンション管理の問題が中心であるが、もう一つ別の問題が潜んでいる。
 それは、昨年のブログでも指摘したが、特定の(合法的な)政党の活動が気に入らない個人が、警察及び司法制度を利用して私的に“弾圧”しようとした、という側面である。裁判所が、このような企みに“乗ってしまう”のかどうか、という点が注目された。仮にそうなってしまうと、次には全国で特定の政党の広報活動に対する「一般市民?」による“逮捕・告発”が続発することになりかねず、それは言論・政党の自由を大きく制約するどころか、やがては議会制民主主義の実質的な圧殺につながるからである。
 事件・裁判における「告発市民」の異様な行動・態度と、今回の1審判決の市民常識に沿った平静さを比べたとき、もしも検察が上告するようであればそれこそ「日本の危機」であると言わざるを得ない。

マンションへの政党ビラまき、被告に無罪判決 東京地裁
 東京都葛飾区のマンションに04年12月、政党ビラをまくために立ち入ったことで住居侵入罪で起訴された被告の住職荒川庸生(ようせい)さん(58)に対し、東京地裁は28日、無罪(求刑・罰金10万円)を言い渡した。大島隆明裁判長は近年の住民のプライバシー、防犯意識の高まりに触れつつ「ドアポストまで短時間立ち入っての配布が、明らかに許されないという合意が社会的に成立しているとはいえない」と判断。荒川さんの立ち入りには「正当な理由がある」として住居侵入罪の構成要件を満たしていないとした。
 判決はまず、「どんな時に立ち入りが許されるかは、社会通念を基準に、立ち入りの目的・態様に照らし、法秩序全体の見地からみて社会通念上、許される行為といえるか否かで判断するほかない」との判断枠組みを示した。
 そのうえで「立ち入りの滞在時間はせいぜい7、8分」と短時間だったことを重視。さらに、▽このマンションではピザのチラシも投函(とうかん)されているが、投函業者が逮捕されたという報道もない▽40年以上政治ビラを投函している荒川さんも立ち入りをとがめられたことはない――と指摘。「現時点で、ドアポストに配布する目的で昼間に短時間マンションに立ち入ることが、明らかに許されない行為だとする社会的な合意がまだ確立しているとはいえない」と述べた。
 判決は、明確な「立ち入り禁止」の警告に従わずに立ち入れば住居侵入罪にあたるとしたが、このマンション玄関の張り紙では、「明確な立ち入り禁止の意思表示がされていない」と指摘し、立ち入りに正当な理由があると結論づけた。
 ーーー中略ーーー
 無罪判決を受け、岩村修二・東京地検次席検事は「検察の主張が理解されず遺憾だ。判決内容を検討し、上級庁とも協議の上、控訴の要否を判断したい」とのコメントを発表した。
 (Asahii.com 2006年08月28日12時33分)



2005年11月20日のブログ(旧チェシャ猫の微笑み)の記事

住居侵入
 なかなか凄い社会になってきた。
 この“住民”は、これまで、「マンションの廊下で各戸にビラ(例えばピザ屋のメニューとか、便利屋のチラシ、新聞の購読勧誘ビラなど)を入れる人間」を、見つけ次第全て“逮捕”して警察に突き出していたのだろうか?
 この事件当時の報道から考えても、そんなことはないようである。
 おそらく、この人物(住民)は、特定の政党のビラを配布すること自体が許せず、その人間を“逮捕”し、「法律を適用して罰してほしい」と訴え、その理由として「治安が悪く・・」と言っているのである。それも、「治安が悪化したので何が起きるか予知できない」から氏名・職業も明らかにせずに、である。
 私はこの事件のビラの発信元である政党については全く支持していないが、こういう“住民”が増えることは、「思想信条の自由」や「言論の自由」が大っ嫌いで、「独裁的国家支配」こそがあるべき姿だと考えている権力者にとって、夢のように素晴らしいことだろうね。


「住居侵入で罰すべき」 通報住民が証言 政党ビラ配布

 政党ビラを配るためにマンションに立ち入ったとして住居侵入罪に問われた男性(58)に対する公判が14日、東京地裁であった。男性をとりおさえて警察に引き渡したマンション住民が出廷し、「無許可でマンションに立ち入るのは住居侵入罪。法律を適用して罰してほしい」と訴えた。

 住民の証言によると、マンションの廊下で各戸に政党ビラを入れていた男性に「速やかに出て行きなさい」と注意したが、「正当な政治活動です」と言って出ていかないので、私人として現行犯逮捕し、警察に通報したという。

 その理由として住民は「治安が悪くなり、ピッキングなどの不安もある。敷地や建物に住民の許可なく入ってはいけない」と述べた。

 尋問は住民と傍聴席をついたてで遮って行われ、住民の氏名、職業も明らかにされなかった。弁護側は「公開の原則に反する」と抗議したが、住民は「私を知ってほしいという気持ちはないし、治安が悪化したので何が起きるか予知できない」とし、裁判所はついたての使用を認めた。
 (Asahi.Com 2005年11月14日21時25分)


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 ■2006年8月3日:プール<吸い込まれ>事故

 仲間のブログが、この事件について論じている。
 “姫”は「これは殺人だ」と怒る。ある意味ではそのとおりだ。
 “もやし”は<下請けー孫請けーパートーバイト>といった雇用構造から必然的に形成される無責任構造と、急激に進む階級社会化(“格差社会”などという呼び方はまやかしだ)を指摘し、この事件は「現代の縮図」であるとしている。
 しかし、僅かな時給で雇われ、必要な指導も受けていない高校生バイトに“子どもの死”の責任を問えるのか?
 まともな社員を常駐させることもできないような低い委託費で仕事を受け、バイトまかせにした孫請け企業には、確かに相当の責任があろう。
 同様に、自社の社員では担当できないような価格、あるいは処理しきれない量の仕事を敢えて受託し、発注元に無断で孫請けに丸投げした下請け企業の責任も決して小さくない。
 そして、委託先企業の実態を正しく把握せず、再委託の事実にも気付かなかった(本当だろうか)市にも責任があることは言うまでもない。
 警察の仕事としては、現場責任者を業務上過失致死で送検し、孫請け企業の経営者にも管理責任を問うことで終わりである。民事訴訟も起こされ、この孫請け企業はおそらく廃業に追い込まれるだろう。
 しかし、公務員の数(日本は他国より多いというのは真っ赤な嘘である)をやみくもに減らし、何でも民間委託するべきだ、と主張する政党・政治家を選挙で選んだ多くの人びとに、果たしてなんの責任も無いのだろうか。
 かつては、市民(町民)プールは“公営”であり、そこで働く職員は“公務員”であった。そこでは“効率”や“費用対効果”は無視されがちで、無駄遣いとして攻撃されることも多かったが、使命感や誇りをもって働く職員も少なくなかった。
 しかし、官営は悪・企業は善というキャンペーンが執拗に繰り返される中で、「民でできることは民に!」と絶叫し「役人の数を減らすことが日本の為だ」と断定する総理大臣は圧倒的支持を集め、一方で地方交付税の削減というかたちで市町村の財政は圧迫され、その結果としてほとんどあらゆる公共施設が今では“民営化”あるいは“民間委託”されている。
 本来の民間企業のプールではこの種の事故はほとんど起きていないが、そこには高額な利用料金による十分な管理、という言わばプラスの循環がある。
 一方、今回の事件のような施設では“公共サービス”という原則から高額な料金は設定できず、設置者(市)は財政難もあって予算を削り、結果的に能力・体制に問題の有る零細企業が受託するというマイナスの循環が起きている。
 このような事件が続けば(残念ながら続くだろう)、やがて安全を確保できないことを理由に低価格の公営プールは全て閉鎖され、高額な料金をとる民営プールだけになるだろう。それが今進んでいる“改革”の将来像なのだから。
 「悲しいできごとではあるが、これも“官から民へ”という改革の痛みの一つだ」と言い切るのだったら、(賛否は別として)いっそ潔いと言えるが、その種の“改革”は支持しておいてこの事件では“犯人”を探して憤激するというメディア(全てではないが)の無責任さも相当なものである。


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 ■2005年11月29日:無免許で助産行為
 

 不法滞在の外国人にとって「医療」は深刻な問題であると言われてきたが、遂に暗く痛ましい事件が起きた。
 40歳の韓国人女性(不法滞在者)が、分娩状態になったが病院に行くことができず、無資格の韓国人女性を頼った挙句に異常出産で母子ともに死亡したという事件。
 警察発表によるため各社のニュース記事の本文には大きな違いはない。異なるのはその「見出し」である。

   朝日新聞 無免許で助産行為、容疑の女逮捕 出産の女性と胎児死亡
   毎日新聞 <無資格助産行為>母子とも死なす 77歳容疑者逮捕
   時事通信 無資格で助産、母子死亡=韓国人の77歳女逮捕−警視庁
   共同通信 無資格助産で女を逮捕 韓国人女性と胎児が死亡


 興味深いのは、朝日・毎日の両新聞の「見出し」が関係者の「国籍」に全く触れてないのに対して、時事通信の「見出し」では容疑者の、そして共同通信では死亡した女性の国籍だけが記されていることである。
 すなわち、時事の見出しだけを見る限り“韓国人の女が日本人の母子を死なせた”ように見え、共同の見出しでは逆に“日本人の女が韓国人の母子を死なせた”ように見えるのである。
 この事件の特異性は、「不法滞在」という弱みがきっかけとなって、韓国人同士というエスニック・コミュニティの内部で起きた事件、という点にあるのだが、そこを正しく伝える「見出し」は残念ながら見られない。
 実は、不法滞在の同国人に対して(疑似)医療行為を行っている者は、意外に多いと言われており、中には出身国の医師免許をもつ人物も含まれているとされる。この77歳の女性がどのような経歴なのか報道されていないので判らないが、もしかしたら韓国の助産婦資格はもっていたのかもしれない。
 いずれにせよ、医師や看護師の免許が国単位で決められている以上、重大な法律違反であることは明らかであるが、単純に「ヤミ○○」とか「ニセ××」と決めつけて済む問題ではないこともまた明らかである。

<無資格助産行為>母子とも死なす 77歳容疑者逮捕 東京
 無資格で助産行為をしたとして警視庁組織犯罪対策2課と荒川署は27日、東京都荒川区荒川3、無職、崔春月(チェチュンウォル)容疑者(77)=韓国籍=を保健師助産師看護師法違反容疑で逮捕した。崔容疑者は26日夜、自宅アパートで助産行為をし、母子とも死亡したため発覚した。
 調べでは、崔容疑者は26日夜から27日未明にかけて、住所不定、無職の女性(40)=韓国籍=に対し、助産師免許がないにもかかわらず出産を助ける行為をした疑い。
 女性は26日午後10時半ごろ、出産の気配を感じ崔容疑者宅に駆けつけた。しかし死産だったうえ、女性も27日午前5時ごろ容体が急変。崔容疑者の夫が119番し病院に搬送されたが、出血多量で死亡した。
 女性は崔容疑者と面識がなかったが、崔容疑者が助産行為をしていることを知っていたらしい。女性は不法滞在で、摘発を恐れて正規の病院を避けた可能性もあるという。【川上晃弘】
(毎日新聞/Yahoo 11月27日)


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 ■2005年6月3日:街頭募金について

募金苦境、逮捕事件の余波 金額減り、「偽もの」非難も 「信頼失墜怖い」
 
 虚偽の求人広告で集めたアルバイトに街頭募金をさせていた職業安定法違反容疑でNPO(民間非営利団体)を名乗る団体の主宰者、横井清一容疑者(34)らが逮捕された事件の余波で、正当な活動を行っているほかの団体の募金額が減るなど、事件の影響とみられる現象が起きていることが二日、分かった。「偽の募金やろ」などと不当な非難を浴びるケースもあるという。
  ・・・・中略・・・・
 災害や病気で親を亡くした子供を支援する「あしなが育英会」(本部・東京)でも今春、関西地区の募金がここ数年で最少額に落ち込んだ。通りがかりの人から「(警察の)道路使用許可証を見せろ」「偽の募金やで」など、ひどい言葉を浴びせられたという報告もあがっている。
  ・・・・中略・・・・
 「赤い羽根」で知られる社会福祉法人「大阪府共同募金会」の古谷泰景事務局長は「募金団体がまともかどうかを区別するのは難しいが、規制するよりも募金の受け皿はたくさんある方がよく、どうすればいいのか」と戸惑っている。
(産経新聞/Yahoo 6月2日)


 職業安定法違反という妙なところから出てきた問題であるが、いんちき街頭募金がどんなに多いか、マスコミの方々は本当に知らないのだろうか。
 東京・横浜など大都会の駅頭では毎日無数の人々が「募金活動のようなこと」を行っている。それらの中には、昨日は「飢餓に苦しむアフリカの子ども救援」という箱を持っていたのに、今日は「XX大地震の被害者支援」の箱に変わっている、などという人物も決して珍しくないのである。

 私は、あしなが育英会も赤い羽根も含めて「街頭募金」というものには一切応じない。
 誤解されると困るので書いておく。現在の私は比較的豊かであり、そのような人間は(税金とは別に)社会に一定の貢献をする「義務」があると考えているので、毎年ある程度の(それほど少なくない)金額を、特定の災害地域への支援や飢餓に苦しむ国々への支援などの義援金として、日本赤十字社などの確実と思われる経路で銀行や郵便局から振り込んでいる。
 善意で街頭募金に応じている人々に、それを「止めろ」などと言うつもりは無いが、家族や親しい人々には私と同様にすることを勧めている。その理由は次のようなことである。

1.なぜ「振り込み」なのか。  そもそも「何のために募金に応じるのか」を考えてみたことがあるだろうか。上に書いたような「動機」ではなく「金を出すことの意味」である。私たちが出した金が、救援や支援といった本来の目的に、確実にそして何よりも「効率的に」活かされることが大切なはずである。
 毎年全国で繰り広げられる「赤い羽根共同募金」の騒ぎについて知らない人は居ないと思うが、あそこで消費される「羽根」、使われる「募金箱」、様々なイベントなどの費用などは、おそらく相当の額になるはずである。私たちが出した金について、「経費分」だの「歩留まり」だの本来あってはならない、仮に不可避であるとしても、それは最小限に止めるように努力するべきであると私は考えるからである。
 一部の募金については、「関係者全員がボランティアであり、集めた金から経費など支出していない」という反論もあるだろう。私はそういうことだけを言っているのではない、トータルな費用のことも言っているのである。募金だけのためにボランティアが10人集まるとしたら、その10人は自分の交通費や昼食の費用を各人で支出しているはずである。本当に有効な募金や支援を目指すのであれば、それらの費用も節約して募金に加えるべきだ、と言っているのである。
 つまり、しかるべきメディアで、募金の趣旨、活動主体、振込先などを伝えてもらい、そこに金融機関のシステムを利用して振り込む、というのが最も無駄な費用を使わない方法なのである。
 もっとも、「単なる金集めではない、国民(啓蒙)運動なのだ」と言うのなら話は別である。このことについては次に述べる。

2.街頭募金の暴力性
 私が街頭募金に一切応じないもう一つの理由は、言わば「正しい募金活動」を行っている人々への嫌悪感である。
 「赤い羽根共同募金」の時期に、動員された中学生の集団などの前を通るとき、その嫌悪感はピークに達する。通行人の胸元の羽根の有無を見ては「アカイハネキョードーボキンニゴキョーリョクオネガイシマース」と怒声に近い声で喚き立てる子供たちを見ていると背筋が寒くなる。そこでは、「正しい活動」に参加しているという強烈な酔いと集団意識、そしてその「正しい活動」を無視して通りすぎる大人たちへの反感とが、見事に集団狂気化されているからである。
 そのうち、無視して通りすぎようとする大人は皆でとり囲んで「なぜ募金に協力しないのか」糾弾し、「非協力」と書いた三角帽子をかぶせて引き回すようになるかもしれない。今はまだ冗談だが・・・。
 また、歳末助け合いや赤い羽根の重要基盤である町内会・自治会ルートの募金では、募金が「踏み絵」のような性質を帯びてくることも否定しがたい。氏名や拠出額が担当者には全て判ってしまうこの種の「募金」は、街頭募金よりさらに始末の悪いものと言えるのである。

3.信用の問題
 上の記事にもあるように、目の前で行われている街頭募金が本物か偽物かを確実に見分けることなど不可能である。だから、自分の大切な金(と善意を)詐欺師に奪われたくないのなら、街頭募金には応じないのが一番である。
 まともな機関・組織であれば当然銀行口座くらい持っているし、口座番号を公開することでその団体の活動は衆人環視の中に置かれるからである。
 逆に言えば、街頭募金しか募金手段が無い、ということ自体、一つの重要な否定的要素であると考えるべきである。


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 ■2005年3月16日:「振り込め詐欺」の病理

夫が「痴漢行為」をした、と言われて示談金を騙し取られた主婦のニュース。

 何と言うかやりきれない話だ。夫73歳・妻66歳というからには、おそらく40年くらいの結婚生活があったはずである。もちろん「結婚したばかり」という可能性も無いことはないが、それなら逆に騙されなかったという気がする。
 知らない他人から、夫が「痴漢をやった」と言われて信じてしまう、ということがたまらない。半信半疑だったと言うのだろうが、相手が「警官」を装ったからと言って、自分の夫を「100%は信じなかった」のは事実である。私が夫の立場だったら、600万円取られたことよりも一瞬でも自分の「痴漢」を信じた妻が許せないと思う。
 なぜなら、「信じる」というのはそもそも最も「能動的な」行為であって、「信じたい」「信じよう」と本気で思って初めて信じられるものだからである。この妻は、夫を信じて「警官」と戦おうとはせずに、「警官」の言うことを信じて金を振り込んだのである。
 決して犯罪を肯定する訳ではないが、「振り込め詐欺」というのは、自分の家族の人格や自分自身の「直感」よりも「警官」や「医師」といった見せかけの権威を信じてしまう人々がこれほど多いという、日本社会の病理を見事にえぐり出す行為でもあると言える。
 
 形は似ていても、やくざを装って「家族を助けたければ金を振り込め」と要求するのは、本当は家族は捕まっていないとしても明らかな「恐喝」であって「振り込め詐欺」などではないので、念のため。

「73歳夫が痴漢」とだます 振り込め詐欺で6百万円
 16日午後5時ごろ、横浜市磯子区の主婦(66)が「夫(73)の痴漢の示談金名目で現金600万円をだまし取られた」と磯子署に届け出た。同署は振り込め詐欺事件として捜査している。
 調べでは、警官を装った男が同日午前、女性宅に電話し「ご主人が痴漢行為をした」として示談金300万円を振り込むよう要求。女性が口座に300万円を振り込んだ後、さらに300万円を要求され送金した。
 主婦は「うちの夫が捕まっていますか」と磯子署に問い合わせ、被害が分かった。夫は外出中で連絡が取れなかったという。
(共同通信) - 3月16日


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 ■2005年2月19日:報道されないこと

消えたホームレス

 2月17日、中部国際空港が開港した。当地・名古屋のメディアは、高揚した調子で連日その人気ぶりや人出を報じ続けている。その驚異的な客集めについては、一種の違和感があるのだが、それについてはもう少し様子が見えてきてからとりあげたい。
 白川公園における青テントの強制撤去以来、地下鉄金山駅通路には常時15・16名のホームレスが居た。「白川」以前は多くても一桁であったと記憶しているので、流れてきた人が含まれていたのは確実だろう。
 開港前日の16日朝、8時頃に地下通路を通ると彼等は完全に消えていた。腰掛けていた仕切り壁の低い段の前には、行列整理などに使う移動ポールが1.5メートルくらいの間隔で置かれ、その先端が幅広の青いリボンで繋ぎ合わされていた。また「駅構内での居座りを禁止する」といったプリントが柱ごとに貼られていた。
 さて、おじさん達(一部おばさんも含む)はどこに行ったのか。
 ここで書きたいのはその行方ではない。この事実(金山駅がホームレスを追い出した)が、およそどこのメディアにも掲載・報道された形跡がない、ということである。
 名古屋市側が政治的圧力で報道を抑えたのか、それともメディア側が「時局を考えて」自主的に無視したのか、はたまた単にメディアの怠慢なのか。
 いずれにせよ、この寒い季節に「家のない」比較的高年齢の人々が、少しはましな地下空間から冷えの厳しい外に出ていずれかに消えた、それも10数人。ということはどこにも報道されていない。(私の知るかぎり)


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 ■2004年8月24日:沖縄米軍へり墜落事故について

 米軍がへり墜落を「予測していた」ことは、無線がある以上当然だろう。むしろ、飛行困難の連絡に対して、(市街地の中では)大学敷地への「不時着」を指示した可能性が高い。
 それよりも、この事件は米軍が沖縄の一般市民どころか警察や消防にまで「命令」し、「行動を制約」できること、一方、沖縄県警は米軍(人)に対して指一本触れることもできないこと、を改めて明らかにした。
 世界の常識では、こういう状態を「占領」とか「軍事支配」と呼ぶのではないかね。


 
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