地域・社会・文化(日本)_1

( Quora アーカイブ 2018〜2019)


 

2019年02月06日:三重県の伊賀上野は関西圏か中京圏のどちら?

2019年01月13日:平均寿命が短い都道府県とその理由は何でしょうか?

2018年12月06日:日本の海岸線の正確な長さは?

2018年10月30日:京都府の魅力的な点、そうでない点とは?

2018年10月12日:“九”州というのに何故「8県」なのでしょうか?

2018年07月24日:どうして貿易が必要?自国で賄えるものだけで生活できない?

2018年06月26日:日本では、資源や技術などで外国に頼り切ってる物はある?

2018年06月14日:どうして日本は人口過多だと言われているのですか?

2018年06月12日:東京は日本人にとってどんな場所だと思いますか?

2018年05月21日:日本人はロシアとの平和条約締結について何を考える?


 
 
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 ■2019年02月06日:

Q:三重県の伊賀上野は関西圏か中京圏のどちらに属しているのでしょうか?

 地形的には盆地ですが、大阪湾に注ぐ「淀川水系・木津川の支流、服部川と柘植川の合流点」に開けた街ですので「近畿圏」に属します。
 (関西地方とは言いますが関西圏とはあまり言いません。中京圏/中部地方と同様に)
 また、方言も尾張・三河方言などとは大きく異なる、関東の人が聞くと「関西風」に聞こえることばなので、これもどちらかと言えば「近畿圏」でしょう。
 社会的なつながりでは、下に示すように伊賀市に住んで他府県に通勤する人では、滋賀県、大阪府・奈良県に通勤する人が多い(合わせて87%)のに対して愛知県に通勤する人はわずかです。

 伊賀市に常住する就業者 44,737
   内他県就業者 2,871
     滋賀県 939
     大阪府 796
     奈良県 755
     京都府 149
     愛知県 120
 *平成27年国勢調査(2015年)「常住地・従業地・通学地集計」より。「他県」のうち従業者数の多い府県を順に表示。

 以上から、伊賀上野(上野市)は中京圏ではなく近畿圏(関西)に属していると言えます。


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 ■2019年01月13日:

Q:平均寿命が短い都道府県とその理由は何でしょうか?

 一貫して東北の3県(青森・秋田・岩手)が短い傾向にあります。
 原因としては、塩分の多い食生活と冬季の寒さ、特に居間・寝室等とトイレ・台所等の「温度差」が問題とされています。

 ここで注目すべきなのは山形県の取り組みです。山形県もかつては同様の問題を抱えていて、1965年時点では男性の平均寿命で47都道府県中40位でした。ところが、30年後の1995年には16位と急上昇し、近年も全国の中位以上を続けています。
 これは、山形県と山形大学医学部が協力して短命の原因を調査・分析、その結果をもとに県民に対して徹底的な栄養指導と生活改善指導を行なった成果だったのです。栄養指導は保健所を拠点に保健師や栄養士が地域に出向いて主婦たちに塩分過剰摂取の危険を訴え、調理法の指導まで繰り返しました。また、それまで県内に多く見られた「外便所(母屋の外に小屋を建てて便所とする)」を廃して屋内に設置させるために、補助金を設けて改善工事を促したのです。山形県はその後も熱心に施策を続け、のちには県立の短大を県立栄養大学に改組、現在も山形大学と協力して県民の「健康寿命の長寿化」に取り組んでいます。

「やまがた長寿安心プラン」評価目標項目一覧

 また、山形県より早く、平均寿命を伸ばしたのが、現在も常に長寿県の上位にある長野県です。かつては、東北と同様に塩分の多い食生活と寒い気候、特に過酷な土地条件の農村で、満蒙開拓移民も多く出した地域でしたが、第二次大戦後「佐久総合病院」の活動を中心として全国に先駆けて「地域医療」の整備が進み、今日に至っているものです。

佐久総合病院を率いた若槻俊一医師について

 すなわち、住民の平均寿命については、専門機関と行政の一体的な努力が続けられれば正しく結果となって現れるということなのです。


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 ■2018年12月06日:

Q:日本の海岸線の正確な長さは?

 平成29年3月時点で環境省が国土交通省のデータを元にまとめている数字では、
    35,649,013 m
 すなわち約3万5千キロです。(北方領土および尖閣諸島を含みます)
 細かい数字は、海岸埋め立てや護岸工事などで毎年変動しているため一定しません。また、行政的管掌の関係で、河口部分については一部海岸より若干内陸側まで対象となっています。


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 ■2018年10月30日:

Q:京都府の魅力的な点、又そうでない点とはどの様なものですか?

 京都府はかなり広いので、魅力的な「点」、そうでない「点」などと一括して答えることは不可能です。中心都市である「京都市」が日本を代表する観光地であることは良く知られていますが、私はあまり魅力を感じません。
 その代わりに、京都府の中で私が好きな(魅力的だと思う)「場所」を2ヶ所紹介します。

 一つ目は京都府の最南端の「和束町」です。宇治茶の素となる茶畑が広がる美しい田園風景の町です。詳しくは記事末尾の町のHPを見てください。


 二つ目は、京都府の北端、「伊根町」です。日本海に面する小さな漁港ですが、「舟屋」と呼ばれる独特の集落景観が残っています。同じく詳細は町のHPで。


 これら二つの町の場所を地図で示しておきます。(図中の赤丸)


和束町ホームページ

伊根町ホームページ


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 ■2018年10月12日:

Q:“九”州というのに何故「8県」なのでしょうか?

 九州の「州」は現在の「県」ではなく、かつての「くに」を指しています。具体的には、
   筑前、筑後(ちくぜん、ちくご)
   肥前、肥後(ひぜん、ひご)
   豊前、豊後(ぶぜん、ぶんご)
   日向、大隈、薩摩(ひゅうが、おおすみ、さつま)
の九つの「くに」で構成されているということです。明治維新の際に実施された「廃藩置県」によって、全国的に「くに」から「都府県」への組み替えが行われました。そのため、現在の九州は7県なのです。
 この「くに」という単位は、方言や生活様式などで「県」よりも統一性があり、地域のアイデンティティも明確で、現在も天気予報などで日常的に使われています。また、名称としては、駅名や地方新聞、地方銀行などの名称、さらには海上自衛隊の艦艇にも使われています。
 なお、琉球・奄美は地理的・文化的には九州に含まれません。行政上の都合などでは九州と一緒に扱われることが多いのですが、その場合の広域的呼称としては「九州・沖縄」という表現が一般的です。


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 ■2018年07月24日:

Q:どうして貿易が必要なのでしょうか?自国で賄えるものだけで生活できないのでしょうか?

 少なくとも、日本ではできません。
 まず、コメと魚(近海魚)と一部の野菜以外の食糧は殆ど手に入らなくなりますので、食生活が崩壊します。パンもうどんもソバも消えます。輸入飼料に依存している養鶏も激減、鶏肉も卵も超高級食材となるでしょう。さらに、石油も天然ガスも核燃料も無くなるため、供給される電力は現在の2割程度に激減し、人力以外の交通機関・輸送機関が壊滅します。また、夏季の冷房、冬季の暖房も困難になり、酷暑や極寒で多数の死者が出ることも普通になります。
 そうなったら、世界の一部の貧しい国のように、国民の多くが移民や経済難民となって流出、あるいは長期の海外出稼ぎといったことをしなければ生きて行けなくなるでしょう。


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 ■2018年06月26日:

Q:日本では、資源や技術などで外国に頼り切ってる物はありますか?

 全ての「技術」は移転可能であり、現在の日本の教育・人材の水準は決して低くない(創造性には?があるが)ので、ライセンス料を払ってはいても「頼り切ってる」に当るものは無いと思います。
 一方「資源」についてはかなり多くのものを外国に頼っています。元々産出しないレア・メタル等の他にも、「核燃料」「石油・天然ガス」、(国内産では)圧倒的に不足で輸入に頼っている「小麦など米以外の穀物類」「食肉類」などが代表的でしょう。また、「鶏卵」は100%「鶏肉」も高い自給率なのですが、養鶏場で与えているのが圧倒的に米国の「飼料メジャー」製品という事実も無視できません。


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■2018年06月14日:

Q:どうして日本は人口過多だと言われているのですか?
 
 現在では「人口過多」などと言っている人は居ません。人口減少が大きな課題となっているのですから。ただし、日本には長いこと「人口過多」と言い続けてきた歴史があります。
 江戸時代後半、様々な理由で日本の人口は殆ど増えていません。ところが、19世紀半ばの明治維新以降、日本の人口は爆発的に増加し始め、天候が不順な年には農村部で餓死者が出るような事態にまでなりました。そのため政府は明治時代後半から海外への移民を積極的に推進し、さらには傀儡国家である満州国まで創って移民政策を進めたのです。
 戦後も人口増加は続き、海外植民地から帰国した人々も加えて「人口過多」状態は続き、中南米への移民送り出しは1975年まで続けられました。すなわち、約100年にわたって日本人は「日本は人口過多な国だ」という常識の中で暮らしてきたのです。そのことが、現在の「人口減少」という現実を上手く受け止められない原因ともなっているようです。


 
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 ■2018年06月12日:

Q:東京は日本人にとってどんな場所だと思いますか?

 日本人(日本在住者)の1割が住んでいる場所です。また、日本で最も多く子どもが産まれている地域でもあります。
 さらに、東京を含む南関東(1都3県)には全国の人口の3割が住んでいて、その中には東京で働き、学んでいる人々が多く含まれます。
 つまり、東京は人口規模で日本最大の「故郷」であり、「生活の場」でもあるのです。

「東京」というと「非在住者」「流入者」の視点でばかり語られることに強い違和感を感じます。


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 ■2018年05月21日:

Q:日本人はロシアとの平和条約締結について何を考えますか?

 東アジアの政治情勢が大きく動き出している、アメリカの存在感が相対的に低下し始めている今だからこそ、「日露の平和条約」は早急に実現するべきだと思います。
 いわゆる北方四島については、現在の日本の主張には無理があります。第一に、千島列島は、江戸末期から日本漁民が番屋などを置いて漁をしていた事実がありますが、人口の多数を占めていたのは先住民であり、ロシア人(先住民との交易)、アメリカ人(捕鯨)なども来訪・滞在していた事実からして、歴史的に「日本固有の領土」であったとは言い難いこと。第二に、第二次世界大戦の戦中・戦後における連合国間の協議でも、千島列島に関する日本の主権は喪失(残念ですが)したと解釈する他ないこと(アメリカもその立場です)、などからです。これは、旧ソ連時代の交渉で歯舞・色丹の2島がとりあげられた際、公式文書ではあくまでも「割譲」であって「返還」ではなかったことにも現れています。
 むしろ、北方四島についてはロシアの領土であると認めた上で、明治以降の歴史的な経緯も踏まえて、日本人の往来、日本企業の進出などに特例を設ける地域とする方向で交渉すべきであり、それであればロシア側も確実に "乗ってくる" と思います。


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