地域・社会・文化(世界)_1

( Quora アーカイブ 2018〜2019)


 

2019年06月23日:人口増加を抑えるのは難しいですか?

2019年06月18日:中国は地理的にどの範囲を示すものですか?

2019年04月25日:ヨーロッパの主な半島5つは何ですか?

2019年02月25日:ロシアは最も森林に覆われた面積が大きい国ですか?

2019年02月13日:ロシア以外に、どの国が異なる大陸にありますか?

2019年01月18日:中央アジアは文化圏がロシアと中東でとっちが似ていますか?

2018年11月26日:この世で一番長い都市名はなんでしょうか?

2018年09月24日:周囲を全てを、1ヶ国だけに囲まれている国といえば?

2018年08月05日:映画で取り上げられて突然世界的に有名になった場所や国は?

2018年06月20日:日本人は中国、中華民国、中華人民共和国の関係をどう理解?

2018年05月16日:中、韓、日が連携してアメリカに対抗、非現実的?

2018年04月24日:ロシアはヨーロッパ、それともアジア?

2018年02月21日:日本語で「アジア」はどういった国を指す?


 
 
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 ■2019年06月23日:

Q:人口増加を抑えるのは難しいですか?

 「人口」は、人類全体では単純に出生数と死亡数の差によって決定される動態であって、出生数>死亡数なら増加、出生数<死亡数なら減少します。国連の World Population Prospects 2019 は「世界の総人口は今後次第に増加率を下げて行くものの増加傾向自体は続く」と予測しています。

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 国別総人口で1・2位の中国とインドを合わせると世界全体の約1/3を超えるのですが、この両国については、中国は2030年ごろから、インドも2060年あたりから「減少局面」に入ると予想されています。にもかかわらず、世界全体の増加傾向が続くのは、主としてサハラ以南のアフリカの動向によるものです。例としてナイジェリアを挙げておきます。

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 世界を World Bank による「貧困国」と「富裕国」に分けて見ると、見事に今後も人口増加が続く地域と減少する地域に一致します。その区分で、特に "人口の再生産" に直結する「15歳〜49歳」の人口の推移と予測を示します。これを見る限り、「豊かにすること」が人口増加を少しでも緩やかなものにするための唯一の方法と言えるようです。

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 ■2019年06月18日:

Q:中国は地理的にどの範囲を示すものですか?

 それを定義することは不可能です。なぜならば、「中国」というのは、「中華人民共和国」という "国家組織の名称" の省略形であって、それで規定される "範囲" というのは、単に "政治的な支配領域" を示すものであって "地理的な範囲" を示すものではないからです。
 これは、「日本国」も「大韓民国」も同じで、国家の支配領域などは歴史的にも変動しています。例えば「朝鮮半島」は "地理的な範囲" ですが、国家支配としては全体が「大韓帝国」であった時代、「大日本帝国」の一部であった時代、そして「大韓民国」と「朝鮮民主主義人民共和国」に分かれている現代、と推移しているのです。
 すなわち、一般に「中国の範囲」とされるものは、中華人民共和国が "実効支配" している範囲のことであって、これも他国の場合と同じです。いずれの場合も、「実効支配している」と世界的に認められている範囲と「自国の領土・領域であると主張している」範囲には不一致があることがあります。中国の場合は台湾がそれに該当します。
 "地理的な範囲" の概念で、現在の中国の支配地域を示すとすれば、ユーラシア大陸の東端、黄河流域、揚子江流域、崑崙山脈、ゴビ砂漠、等々といったことになり、各々で周辺国家の支配領域と重なります。


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 ■2019年04月25日:

Q:ヨーロッパの主な半島5つは何ですか?

 面積の大きい順に挙げると、
  1.スカンディナヴィア半島 面積 928,100 平方キロ
  2.イベリア半島 面積 581,400 平方キロ
  3.イタリア半島 面積 131,300 平方キロ
  4.コラ半島 面積 100,000 平方キロ
  5.ブルターニュ半島 面積 34,000 平方キロ
となります。それ以下は、
  6.ユトランド(デンマーク)半島 面積 29,800 平方キロ
  7.クリミヤ半島 面積 27,000 平方キロ
  8.ペロポネソス半島 面積21,500 平方キロ
です。
 「バルカン地域」は俗に「半島」と呼ばれますが、地理学的には半島とはみなされません。また、上記の各半島の面積は「定義」によって変動するものがあり、特に「スカンディナヴィア半島」については “根元” の区切り方に諸説があって、もっと大きな数字を示している資料もあります。


 
hantou
 
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 ■2019年02月25日:

Q:ロシアは最も森林に覆われた面積が大きい国ですか?

 その通りと思います。森林面積に関する信頼できるデータが手元にありませんが、そもそもロシアは世界最大の約1700万平方キロの国土面積をもち、2位のカナダ(約1000万平方キロ)、5位のブラジル(約850万平方キロ)を大きく上回っています。
 国土面積に占める森林地帯の比率でも、ロシアが極端に低いとは考えられませんので、カナダや5位のブラジルより森林面積が小さいとは考えられません。
 また国土面積が3位のアメリカ、4位の中国はともに広大な砂漠地帯をもち、森林地帯の比率は上に挙げた国々に比べて高くありません。


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 ■2019年02月13日:

Q:ロシア以外に、どの国が異なる大陸にありますか?

 他の方の回答にある「エジプト」と「パナマ」は、まさに2つの大陸にまたがる国です。また、スペインも対岸のアフリカ大陸北端にセウタ(Ceuta)という小さな飛地を保有していて、いわゆる植民地や海外領土ではなく本土の一部地域としているので、2大陸にまたがる国に該当します。
 一方、地理学的にはアジアとヨーロッパは一つのユーラシア大陸としていますので、ロシアとトルコは該当しないことになります。ボスポラス海峡で無理に区分しても、一般にヨーロッパとされているウクライナの東部やジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンのコーカサス諸国が微妙なことになります。


 
ceuta
 
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 ■2019年01月18日:

Q:中央アジアは文化圏がロシアと中東でとっちが似ていますか?

 もともと、民族的にはチュルク(トルコ)系・ペルシャ(イラン)系の人々とモンゴル系の人々が混在していた地域ですが、イスラム教の普及で「目に見える文化」では中東系の色彩が強くなっています。
 具体的には各地に見られるモスクやバザールの風景、髪を隠す女性の姿などです。食文化に関してはトルコ系の影響が強く、羊肉のケバブ、羊のチーズ、米やひき割り小麦を使ったプロフ(ピラフ)、ピタパン系のパンなどが中心のようです。
 ロシアの影響が強く見えるのは「言語」に関する部分です。旧ロシア帝国・ソビエト連邦に長く支配・連邦化されていたことで、各民族の言語でも表記はキリル文字となっていて、これは現在のモンゴル共和国も同様です。また、個人の人名でもロシア風の名前が見られるほか、ロシア語が実質的な共通語ともなっています。
 ただ、面積・人口とも圧倒的に大きいカザフスタンにおいて、中心都市のアルマトゥイの呼称をソビエト時代の公式名称であったアルマ・アタからアルマトゥイに改めたように、脱ロシア化の動きも一部には見られます。


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 ■2018年11月26日:

Q:この世で一番長い都市名はなんでしょうか?

 「一番長い都市名」はわかりません。「その国、あるいはその地方の人しか知らない」ような変った地名、長い地名など、世界の各地にあると思いますが、それらを全て知ることは不可能だからです。
 また、文字の違いも考えれば、北京・ペキン・Beijing のように「長さ」を単純に比較することもできません。
 まあ、国の首都など世界に知られた都市の中から探せば、Sri Lanka(スリ・ランカ)の都市 Sri Jayawardenepura Kotte(スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ)など、長い方と言えるかも知れません。余談ですが、この都市(名)は地理好きの高校生などが良く話題にするなど人気があるのですが、その際に大抵「スリジャヤ・ワルダナ・プラコッテ」と日本人が言い易い “区切り” に勝手に変えてしまっているのが笑えます。


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 ■2018年09月24日:

Q:周囲を全てを、1ヶ国だけに囲まれている国といえばどこが思いつきますか?

◆該当する「国」としては、
 「レソト」 アフリカ大陸南部「南アフリカ」の内部に存在する独立国。
 「ナゴルノ・カラバフ共和国」 国際的には承認されていないが「アゼルバイジャン」国内に事実上存在するアルメニア人 "国家" 。
 それ以外では、極めて特殊な例として「バチカン」があるだけと思います。

◆海に面していて背後が1国だけという例は、
 「モナコ」 背後は「フランス」
 「ガンビア」 背後は「セネガル」

◆「カナダ」も "陸の国境線" で接するのは「アメリカ合衆国」1国だけですが、囲まれていると言うより挟まれている形です。

◆半島の先端に位置して背後が1国だけという例は、
 「ポルトガル」 背後は「スペイン」
 「韓国」 背後は「北朝鮮」

◆「島」の一部で、残りが他国(1国)という例は、
 「パプア・ニューギニア」 ニューギニア島の東半分で、西半分は「インドネシア」。
 「ハイチ」 イスパニョーラ島の西半分。
 「ドミニカ共和国」 イスパニョーラ島の東半分。
「東ティモール」 ティモール島の東半分、西半分は「インドネシア」。
 「アイルランド」 アイルランド島の南側大部分、北東部は「イギリス」。
 「キプロス」 元々全島1国であったが、島の北部にトルコ系住民が一方的に設立、国際的には承認されていない「キプロス・トルコ共和国」が事実上存在している。
といったところです。


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 ■2018年08月05日:

Q:ある映画で取り上げられたことによって、突然世界的に有名になった場所や国はどこですか?

 「マディソン郡の橋」が、小説と映画で有名になった例として思い浮かびます。
 他に、国内的には良く知られていたとしても、映画によって “世界に” 有名になったという意味では、ヒッチコック作品の「北北西に進路をとれ」でのロケ地の一つとなったラシュモア山、オーソン・ウェルズの「第三の男」に登場したウィーンの大観覧車なども挙げられると思います。


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 ■2018年06月20日:

Q:一般日本人は中国、中華民国、中華人民共和国の関係をどのように理解していますか?また、なぜそのように理解しているのですか?

 「一般の」という言い方は微妙ですが、「外交関係に特別な関心をもたない」「中国の現代史に特に詳しくない」「中国や台湾と個人的に関係をもたない」人々と仮定します。
 「中国」という呼称で一般に想起されるのは「中国本土」のことであり、その国家としての正式名称が「中華人民共和国」である、ということまでは広く知られていると思います。逆に、「中国」と呼ぶ際に台湾まで含めて考える人は少なく、漠然と「台湾」は「別の国のように見えるが中国との間に "いろいろ" 問題があるらしい」「分断 "国家" のようなもの」と理解されているようです。
 また、台湾の "政府" が公式呼称を「中華民国」としていることは、渡航歴のある人々を除けば現在ではあまり意識されず、「台湾」という呼称の方が明らかに一般的です。この台湾に関する認識は、戦前数十年にわたって日本の海外領土だった歴史があり当時の呼称が「台灣」であったこと、スポーツの試合などで来日するチームを(外交関係への配慮から)メディア上で「台湾」と呼ぶことが多いこと、旅行会社などのツアーでも台湾としていること、などによるものと考えられます。
 現在の日本で「中華民国」という "国名" を日常的に意識している人は多数とは言えず、中国の現代史に関心をもつ人々、あるいは中華人民共和国や中国共産党に反感をもっている人々に限られるのではないかと思います。


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 ■2018年05月16日:

Q:中国、韓国、日本が連携してアメリカの帝国主義的なふるまいに対抗するという構想は、非現実的ですか?

 はい、現実的ではありません。
 米・中・日・韓の4ヶ国は、今や経済的には相互に全く「抜き差しならない」関係になっているからで、4ヶ国の中で「利害が一致する組み合わせと対立する組み合わせ」が、個別の課題ごとに違ってくると予想されるからです。
 つまり、ことがらや状況によって日韓中対米国、日米韓対中国、そして米中韓対日本などという展開のいずれにもなることが充分あり得るのです。また、中国はヨーロッパに接近することで対米国関係とのバランスをとろうとしているようにも見えます。
 これからの世界で「上手く生きて行く」ためには、「陣営」とか「同盟」と言った20世紀的な発想では難しいのだと思います。


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 ■2018年04月24日:

Q:ロシアはヨーロッパに属しますか、アジアに属しますか?それはなぜですか?

 「政治的地域(国家)区分」と「地理的地域(領域)区分」という問題です。多くの国では、この2つの間に矛盾がないのですが、ロシアは国土があまりに広いために境界を越えてしまうのです。
 「国家」としてのロシアは、歴史的にもヨーロッパに属すると言えます。しかし、現在の「領土・領域」に関しては、西はヨーロッパ、東はアジアに属すると見るのが自然です。スターリンによる民族強制移動やその後の積極的な開発、ロシア人の入植などで、東西の「境界線」を明確に定めるのは困難ですが、自然条件、先住民族の言語や文化の近縁性といったことから、少なくとも極東地域については地理的には「アジア」と言うことができます。
 実際、アイスホッケーのアジアリーグには日本、韓国、中国(現在は不参加)と並んでロシア・サハリンのチームが参加しています。将来極東地域に、ロシア連邦内でももっと独立性の強い共和国ができれば、アジア大会への参加もあり得るのではないかと思います。


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 ■2018年02月21日:

Q:日本語で「アジア」と言ったら、一般的にどういった国を指していると思いますか?日本、中国、韓国、サウジ、インド等は「アジア」として一般的にカウントされますか?

 「アジア」は元々日本語ではなく、ヨーロッパにおいて「東の方」を指していた言葉の翻訳です。したがって、「日本語としての定義」はありません。
 なので、質問を「現在の日本人の多くが "アジア" と認識しているのは世界のどの範囲か」という意味に読み替えて考えます。 地理教科書的にアジアを整理すると、「東北・東南・南・中央・西」という5つのブロックに分けることができます。
 この内、東北アジア(日本・中国・韓国・北朝鮮・台湾・モンゴル)、東南アジア(いわゆるアセアン10ヶ国)までは、ほぼ全ての日本人が「アジア」と認識する範囲です。
 南アジア(インド・バングラデシュ・スリランカ・ネパール・ブータン・パキスタン・モルジブ}になると、少し微妙に感じる人が居るようです。
 中央アジア(カザフスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギス・トルクメニスタン)については、そもそも日本では知られてないため、「アジア」からは抜け落ちることが多いです。
 西アジア(アフガニスタン以西のいわゆる中東地域)は、多くの日本人にとって「アジア」という認識ではないと言えるでしょう。
 ただ、地理的位置・特徴と国家的領域は必ずしも一致しません。例えばロシアの極東地域(サハリンや千島列島)は、どちらかと言えば東北アジアの一部ですし、逆に、インドネシアの東端であるイリアンジャヤは、パプア・ニューギニア国と同じ島の西半分で、一般にオセアニアに区分される地域にあります。
 最後に、質問中の「日本、中国、韓国は・・・カウントされますか」というのは極めて不可解です。


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