木曽三川と濃尾平野 洪水とのたたかい

■はじめに

 愛知・三重・岐阜の3県にまたがる濃尾平野は、木曽川・長良川・揖斐川のいわゆる木曽三川が運ぶ土砂が、伊勢湾から続く深い谷を埋めることで形成された平野である。
 古来この三つの川は、平野部では一つの川として乱流し,人々は言わば人工の島のような「輪中」で集落や農地を守ってきた。
 薩摩藩の悲劇として知られる“宝暦治水”に始まり、“明治改修”を経て完成した三川の分離によって,現在のような低湿ではあるが安定した平野の状態が実現したのである。


地域概観

江戸期以前の治水

明治期の河川改修・治水工事