北上川の舟運と河川改修
■1.流域の概要
北上川は、幹川流路延長249km、流域面積10,150 km2の一級河川
である。
岩手県岩手郡岩手町御堂を水源とし、北上高地、奥羽山脈から発する猿ヶ石川、雫石川、和賀川、胆沢川等の大小支川を合わせて岩手県を南に縦貫し、一関市下流の狭窄部を経て宮城県に流下すると、登米市柳津で旧北上川を分派し、本川は新川開削部を経て東の追波湾に注ぐ。
柳津で分派した旧北上川は、宮城県栗原市栗駒山から発する迫川と宮城県大崎市の荒雄岳から発する江合川を合わせて平野部を南流し、石巻湾に注いでいる。
北上川の特徴的な点は、 1).奥羽山脈と北上高地というともに南北に走る高地の間を、極めて直線的に流れていること。 2).岩手県と宮城県の県境付近が狭窄部となっており、その上流側では河床勾配が概ね1/1,000 程度であるのに対し、下流側では河床勾配が1/3,700〜1/7,600 程度と緩やかになっていることである。