阿賀野川・歴史と社会
3.只見川の電源開発
3.1 はじめに
■その背景
技術的・経済的に水力発電が可能と考えられるエネルギー量のことを包蔵水力という。阿賀野川水系はこの包蔵水力が全国第3位の規模を有しており、早くから電源開発が行われてきた。流域内にある水力発電所の最大出力合計は約373万kWにも及び、わが国の水力発電量の約7%を占めている。
阿賀川の最大支流である只見川は深い峡谷を流れているため、かんがい用水としてはほとんど利用できない河川であった。しかし、標高1,400m以上の高地に源流があること、阿賀野川流域の約36%の流域面積を占めること、多雪地域であるため豊富な流量があること、等の条件によって電源開発適地と期待され、第二次世界大戦後、日本で有数の発電地帯として開発が進められた。