信濃川と新潟平野の変遷
■はじめに
かつて江戸中期以前の新潟平野は、信濃川と阿賀野川が現在の新潟市付近に唯一の河口を共有、この2つの大河に他のすべての河川が合流、排水不良の低湿地が広く拡がる土地であった。
ところが、大河津をはじめとする多数の分水路(放水路)の建設とそれに関連する工事によって,僅か数百年の間に新潟平野はわが国有数の美田地帯に変貌した。
ここでは、“人為による環境変化”が平野の地形と農業生産に及ぼした影響・効果を明らかにし,日本の平野の環境が、人々の努力と技術の結晶であることを明らかにしたい。